2025年9月14日~15日(日・祝)にかけて、南アルプスの仙丈ヶ岳へ登山に行ってきた。結論から言うとガスで展望は望めなかったが、馬の背ヒュッテを満喫することができた。仙丈ヶ岳は日帰りも可能な山なので宿泊を検討していない人も多いだろうが、せっかくなので紹介したい。
出発~登山口まで

今回の登山は、友人ら4名で行った。全員関西在住のため、京都で深夜0時半に集合し、仙丈ヶ岳の駐車場(仙流荘・戸台パーク)まで車で4時間かけて向かった。
仙丈ヶ岳登山口となる北沢峠へは、駐車場からバスで向かう(一般車通行禁止)。このバスは始発が5時半で、日帰り登山者はこれに乗るため長蛇の列となっていた。我々は宿泊するためこれには乗らず、駐車場で仮眠を取って8時頃のバスに乗車した。こちらの時間は人が少なくスムーズに乗ることができた。
バスは1時間かけて北沢峠まで向かうが、道中は非常に揺れた。酔いやすい人は酔い止めを必ず飲んだ方がいい。途中で山の説明のアナウンスもありながら向かうが、酔わないように目を瞑ることが多かった。
登山口~馬の背ヒュッテ

バスを下車すると、すぐ近くに登山口があった。登山届もその場で記載できるので、投函して登り始めた。
登山は長く続けているが、南アルプスは初めて登った。北や中央とは違い、苔が生い茂る山の中はとても良い雰囲気で非常に好みだった。北の雄大な山々とはまた違った趣を感じられ、南アルプスの他の山々も登ってみたくなった。

ブログのことを忘れて縦向きの画像ばかり撮ってしまったが、こういった雰囲気の中を歩くことができる。傾斜もそれほどきつくなく、まさに初心者向きの山だ。実は7月に剱岳を登山し、次はもう少し楽な山に登りたいという思いがあったのだが、ピッタリな山であった。
馬の背ヒュッテ

登山口から3時間かからず馬の背ヒュッテに到着した(たしか11時半)。チェックイン開始より30分程早かったみたいだが、受付をさせていただいた。ここは基本大部屋で宿泊するスタイルだが、1室だけ4名用の個室があり、個室に宿泊させていただいた。ラッキーだ。
夕食は17時と18時の2部制で、17時からになった。時間はたっぷりあるので、仮眠を取って、周囲を散策することにした。

山小屋の裏側には休憩用のベンチ類があり、奥から小仙丈ヶ岳方面の稜線を見ることができた。ご覧の通り雲が出ていて、結局姿を見れたのはこれが最後だった。
他に行くところもなかったので、山小屋に戻り夕食まで待機した。

夕食は、名物の鹿肉スパイスカレーだ。鹿肉はこれまで何度も食べたことがあるが、ここの鹿肉は全く鹿肉と分からないぐらい臭みが無く、美味しく食べることができた(米はおかわり可)。
18時40分頃になると、食事会場のテーブルが開放された。待ちに待った瞬間だ。

この山小屋のもう一つの売りが、日本酒だ。地元の日本酒を7種類取り揃えていた。
飲み比べセット(1500円)があり、3つのお猪口に3銘柄注いでもらうことができる。2セット頼んで、画像の6銘柄を飲んだ。
画像の左3種はおそらく同じ酒蔵なのか、味は似ていた。どれも美味しかったが、右3種は味が異なり、特に天堕や豊香が香り高く美味しかった。
また、おつまみに駄菓子だけでなく、おでんや鹿肉と大根の煮つけといったものもあり、日本酒とセットでいただいた。非常に美味しく堪能させていただいた。

食事を堪能した後は、星空観賞だ。山小屋に泊まるメリットの1つが、山の上で見る満点の星空だと思う。今回も天の川を肉眼で観察することができた。普段、街中で暮らしていると見ることができない景色は格別だ。
消灯がたしか20時半頃で、それまでに切り上げて、翌日に備えた。
早朝出発~登頂

午前3時に起床し、3時半に出発した。もちろん辺り一面暗闇のため、ヘッドライトを点けて登り始めた。
途中別の山小屋で休憩し、馬の背ヒュッテの朝食(お弁当)を食べた。3種類のおにぎりと漬物が入っていた。塩気がちょうどよくて、とても美味しかった。食事中は日が昇っていないため寒いので、防寒着や温かいみそ汁・飲み物等を用意することをおすすめする。

食事後、ご来光を見るために山頂を目指した。徐々に周囲が明るくなってきたが、上記の通りガスで視界は絶望的だった。

頂上に到着すると、ご来光を待つ人が集まっていた。しかし、視界が悪くご来光は見れないと悟り、日の出時刻前に下山を開始した。
山頂~登山口
下山中も視界が悪く、さらに小仙丈ヶ岳辺りで遠方の雷音が聞こえ始めた。急ぎ足で下山を進めたが、途中で雨が降り始めたと思ったら、一気に大雨となった。登山道は小川が流れているような状態で、足場に気を使いながら下山した。楽な山でも雨が降ると一変するなと実感した。

4合目辺りになると、天候が回復した。木々の隙間から太陽の陽射しが差し込み、とても幻想的で美しかった。少し霧がかった感じも最高だ。これまでの登山でも雨上がりの景色は非常に美しかったので、雨も悪いものじゃないなと感じた。
下山後、10時発のバスに乗る予定だったが、9時前に到着した。運よく臨時便が出ていて9時頃のバスに乗ることができた。予定より1時間早く帰れるのは大きい。
しかし、1時間早く仙流荘に到着したため、日帰り入浴が営業開始していなかった。仕方ないので、別の日帰り入浴施設を検索して向かうことにした。
信州大芝高原 大芝の湯で汗を流し、ステーキを食す
仙流荘から30分程、車を走らせ、信州大芝高原の大芝の湯という日帰り入浴施設に向かった。入浴料500円で、スーパー銭湯のような感じのところだ。500円なので期待していなかったが、露天風呂の景気も良く、サウナもあり最高だった。これぞ長野という感じで、この近くに住みたいと思ったほどだ。入浴施設内で食事も取ることができ、ソフトクリームを食べた。
登山後の汗を流した後は、お待ちかねの食事タイムだ。入浴施設のすぐ近くに「信州大芝高原 焼肉ハウス」というBBQレストランがあり、1人1プレートでステーキを食べることができる。私はステーキ400gと80gのすじ肉を注文した。ステーキは部位が2種類あり、脂身の付いたステーキが特に美味しかった。また、すじ肉が予想外に美味しく、これを多めに注文するのもアリだ。お腹いっぱいになって満足することができた。
食後は安全運転で帰路についた。
まとめ
残念ながら美しい眺望を見ることはできなかった。しかし、南アルプスの美しい景色に出会い、山小屋で美味しい日本酒を飲み、星空も見れた。また、下山後はコスパ抜群の入浴施設と美味しいステーキを食すことができた。眺望以外は100点ではないだろうか。
仙丈ヶ岳はコースタイムも短く、危険な箇所も無く、本来は美しい眺望を得られる。とてもいい山だなと感じた。またいつかリベンジしたくなる、魅力溢れる山だった。隣には甲斐駒ヶ岳もあり、次回リベンジするなら両方制覇したいところだ。後から知ったが、北沢峠にはキャンプを張ることができ、シャワーも使用することができる。北沢峠をベースに2山制覇したい。

